政府統計の総合窓口(e-Stat)HPのデータを使って、市町村ごとの家計調査 を加工表示できます。
今回、「かに」について、関東(東京都)と関西(大阪市、京都市)の比較から始めて、消費ランキングとその理由を調べてみました。
(関西の街は、東京都より地域特有な点がありそうなので、2つの地域にしました。)
このデータで、「かに」にかける二人以上の世帯当たり支出は、大阪が多く、順に京都、東京です。
また、秋12月付近だけで消費されています。
これは、漁期が冬~初春からでしょう。
全国の家計消費ランキングも調べました。
消費は、大阪が上位で、京都は中位、東京は下位です。
全国では、第3位の和歌山が気になります。
全国の漁獲量ランキングも調べました。(都道府県で表示)
漁獲は、上位10件でほぼ90%の漁獲量になります。
日本海側が上位を占めます。
消費上位が漁獲上位と重複しているのが目立ちます。
地産地消ということです。
しかし、大阪が相違しているのが気になります。
WEB検索等で、かに消費ランキングの理由を調べてみました。
和歌山や大阪について、何かわかるでしょうか・・・
「『古事記』応神天皇段には角鹿(つぬが)の蟹(かに)に関する記事がある。角鹿は敦賀(つるが)のことで、敦賀は越前国に属するので、角鹿の蟹が記録上最古の越前蟹になるわけである。」
(越前町 織田文化歴史館HP 越前ガニ)
「JTBによる関西発のカニツアーは10年以上前から催されており、源流は1976年まで遡れるようだ。世代を超えて根付いており、希少な京都・丹後半島の「間人(たいざ)がに」を食べる日帰りツアーには1人で参加する女性も。今シーズンで20年目となるJR西日本の「かにカニ日帰りエクスプレス」の週末プランは発売後すぐの売り切れが目立つという。」
「伝承料理研究家の奥村彪生さんによると、カニが関西で広く食べられるようになったのは1962年、大阪を代表する繁華街、道頓堀にカニ料理専門の「かに道楽」(大阪市)が開業してからの出来事だという。」
(日本経済新聞HP コラム(地域)2018年1月4日 関西人 カニ好きの訳は(もっと関西))
「かに道楽」創業者の今津氏が、「松葉ガニを新鮮なまま保存・輸送できる冷凍技術までも開発したというから、その熱意には脱帽だ。」
(公益財団法人 関西・大阪21世紀協会HP WEBマガジン 大阪鍋物語 かにすき)
「カニという道楽 ズワイガニと日本人の物語」
( 2019/10/9 広尾 克子著)
「全国的にはあまり知られていませんが、京都府も海に面しています。 日本海 海岸の総延長は約315kmあり、起伏に富んだリアス海岸や波の穏やか な内湾、沖合の天然魚礁など、多様な環境を有しています。 京都府の海には、対馬暖流(表層の暖かい水)と日本海固有水(深 層の冷たい水)の影響を受け、500種類程の魚介類が生息しています。 恵まれた地形や海流等の影響を受け、各地域の特性に応じた漁業が 営まれており、四季折々、多彩な魚介類が水揚げされています」
(京都の水産 京都府 水産事務所)
「和歌山県民は赤系が好き?・・・食品学的に言いますと、視覚に来るものというのは、人間の反応で速いんですね。(和歌山の名産である)梅干しは赤、みかんや柿はオレンジ、目に赤みのあるというのは、県民性のところで長い間自然になじみやすいものなのかなと考えられますね」
(多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N 2019年01月22日07時38分~抜粋)
「和歌山県の農産物産出額は、みかん・うめ・かきが全国一位(平成30年)、水産物は、いせえびが第三位。」
(和歌山県産品紹介カタログ 和の食卓 和歌山県)
和歌山県には、エビとカニの水族館があります。
(すさみ町立エビとカニの水族館HP)
和歌山のかに好きは、赤が好きだからなのでしょうか?
確かはないですが、たしかに、赤やオレンジの産物が目につきます。
大阪は、道頓堀、かに道楽。
大きなかにの看板は伊達でなく中身がすごかった。
かに食文化を変えたと言えるかもしれません。
補足説明:家計調査とは、
全国約5千万世帯から約9千世帯が抽出される。
約1700市町村から地理的条件、都市の規模、産業的特色を加味して、168市町村を抽出、さらに約1400調査区に分割され、各調査区で6世帯とする。
2人以上の世帯では、6か月間、毎日、家計簿へ記入する。
支出した日に、家計簿へ記入する。
家計簿は、半月ごとに調査員が回収する。
1946年7月以降、一日も欠かさず続けられている。
(gacco講座「誰でも使える統計オープンデータ」)